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「はじめての自然地理学」吉田英嗣著 書評 chiriの口コミ・レビュー

      2018/03/12

「はじめての自然地理学」吉田英嗣著

古今書院 平成29年(2017年)12月15日発行

 

おすすめ度 4.5点/5.0点

 

明治大学文学部准教授の著者が地理学を専攻しない生徒に「自然地理学って案外面白いんだ」と思ってもらえるようにという趣旨で書き下ろされた地理初学者向けのテキスト。

大学の社会科教職科目「自然地理学」で歴史科教員を志す学生にも平易なようにという想いで書かれていて,その内容は高校地理Bで学ぶ内容をほんの少しだけ大学生向けに詳しく深めたような構成になっています。

そのため,筆者も述べているように,随所で“大胆に”難解な説明が省かれており,これまでにも数多く出版されてきた自然地理学の入門書のどれよりも易しい記述になっているように感じます。(これまでのベストセラーとされる『風景のなかの自然地理 改訂版』よりもさらに読みやすいです。)

地図やモデル図もわかりやすいものが多く,ページ数も本文は96ページと薄いため,やや難しいと感じる部分があったとしても,飽きる前に読み切ることができる1冊です。

個人的にこれまで抱えていた自分のモヤモヤが解消された部分としては,「海水と海洋の構造」「第四期とは」「プルームテクトニクス」「マグマだまりの形成過程」「アイソスタシーとは」「動的平衡とは」などなどです。(chiriの自然地理に関する未熟さぶりがバレるけど…笑)

一方で自然地理学を大学で専攻した地理教員にとっては少し物足りない内容かもしれません。

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いずれにしても,筆者の出版の意図は十二分に達成された内容構成と記述形式になっていると思います。

また,chiriのように,人文地理学出身で自然地理学を大学時代にもっと学んでおけばよかったと現場に出てから後悔している地理教員にとっても非常に有益な1冊だと思います。

個人的には,大学入試改革に伴って試行錯誤が繰り返されている地理の作問例によく出てくるような,初見の資料を見て考察する問題を作る上で,非常にヒントになるものが多くあると感じました。

高校の資料集や地図帳には載っていないけど,難しすぎない大学のテキスト,に載っている図表やデータ等を加工することによって,これから入試で問われるような問題を作っていけるのではないかと感じています。

興味をお持ちいただけた方はぜひチェックしてみてください。

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