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カルスト地形(ドリーネ,ウバーレ,ポリエ,タワーカルスト)

      2018/03/27

前回の授業では乾燥地形について学習しました。

今回はカルスト地形についてです。

カルスト地形とは石灰石が水に溶けて(溶食)作られた地形です。

石灰岩の主成分である炭酸カルシウムが水と反応する化学式がよく資料集に載っています。

高校で地理Bを選択する人はどちらかというと理系が多いので,化学の授業も受けていれば,そんなに難しい式ではないと思います。

さて,そもそも「カルスト」とは何か考えたことはありますか?

これは実はリアス海岸と同様に,海外に石灰岩の溶食によって作られた典型的な地形があり,その地域の名前が語源となっています。

  リアス海岸の語源はどこだったか覚えていますか?

そうです,スペインのリアスバハス海岸でしたね。

  ではカルスト地形の語源は?

これはスロベニアにあるカルスト地方という地方の名前から来ています。

と言われても,スロベニアがどこにある国か,頭の中に思い浮かんでいますか?

さぁ,地図帳を開きましょう。

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そうです,イタリアの東側(右側)ですね。

最近EUに加盟し,かつてはユーゴスラビアに属する社会主義の国でした。

世界史で出てくるトリエステを含む国です。

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それから,世界の生活と文化の単元でも学習しますが,イタリアやギリシャの住居は外観が白いものが多い光景をテレビなどで見たことがありますか?

たとえばこんな感じ。

イタリアの世界遺産トゥルッリ

イタリアの世界遺産トゥルッリ

 

実はこの白い建物は石灰岩で作られています。

これもやはり,イタリアなど地中海沿岸では石灰岩が豊富に産出され,地産地消で住居の建材として利用されていることが理由です。

なぜ,白い住居はイタリアの気候に適しているのか?については生活と文化の単元で確認してくださいね。

 

さて,それではカルスト地形の具体的な確認をしていきましょう。

「Repeat after me.」

「ドリーネ,ウバーレ,ポリエ!」「ドリーネ,ウバーレ,ポリエ!」

はい,あと10回言ってください。

「ドリーネ,ウバーレ,ポリエ!」「ドリーネ,ウバーレ,ポリエ!」

「ドリーネ,ウバーレ,ポリエ!」「ドリーネ,ウバーレ,ポリエ!」

「ドリーネ,ウバーレ,ポリエ!」「ドリーネ,ウバーレ,ポリエ!」

「ドリーネ,ウバーレ,ポリエ!」「ドリーネ,ウバーレ,ポリエ!」

サンゴ礁地形でも同じことをやりましたが,何だったか覚えていますか?

そうです,「裾礁,堡礁,環礁」でしたね。

カルスト地形もサンゴ礁地形と同様に,必ずこの順番で地形が発達していきます。

もう,体に覚えこませてしまいましょう。

3つのモデル図をまとめるとこんな感じです。

ドリーネ,ウバーレ,ポリエ

ドリーネ,ウバーレ,ポリエ

 

要するにどんどん凹みが大きくなっていくということです。

それではまず初めにドリーネから。

ドリーネは溶食によって地面が溶けていき,周りよりもへこんだ凹(おう)地のことを指します。

写真で見るとこんな感じです。

山口県秋吉台のドリーネ

山口県秋吉台のドリーネ

 

無数のドリーネが見えますね。

モデル図で言えば一番小さな凹みですが,人間からするとドリーネでも結構大きな凹地だというイメージでいてください。

直径は数m~数百mくらいです。

ちなみにドリーネは地図記号が重要!

凹地 地図記号

凹地 地図記号

 

左の記号で言えば,等高線の内側に矢印が入っているのがポイントです。

この矢印がなければ内側の部分のほうが標高が高いことになりますが,この矢印があると内側の方が凹んでいて標高が低いことを表します。

また,もう少し大きな凹みに対してはどでかい矢印を描くわけにもいかないので,等高線の内側にゲジゲジ(とchiriは呼んでいます笑)を描くことで表現します。

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いずれも地形図の読図ではセンター試験・模擬試験ともによく出題される内容ですので,しっかりとマスターしてください。

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なお,当たり前といえば当たり前ですが,カルスト地形では基本的に谷と河川が発達しません。

雨水は石灰岩の地表を溶かしながら地下へと流れ,地下で河川を作り出すからです。

この過程で地下空間には鍾乳洞が形成されることもよくあります。

高知県龍河洞の鍾乳洞

高知県龍河洞の鍾乳洞

 

カルスト台地も鍾乳洞もこれまでに学習した地形とは異なる過程で形成され,特殊な景観を作り出すため,いずれも観光名所になりやすいわけです。

日本のカルスト地形としては山口県の秋吉台,福岡県の平尾台,高知県の天狗高原などが有名です。

加えてカルスト地形で重要なのは石灰岩を原料としてセメント工業が発達すること。

工業立地の単元で詳しくは改めて学習しますがセメントは原料指向型の産業として有名です。

そのため上に述べた県ではいずれもセメント工業が盛んなのですが,イメージがありますか?

石灰岩は主要な鉱産資源の中で,日本が自給できている数少ない資源の一つです。

日本の高度経済成長期は日本で採れた石灰岩でコンクリートのビル群がどんどん建設されていたわけです。

溶食を繰り返し,ドリーネがさらに大きくなったものをウバーレ,さらにさらに溶食が進み,凹みが盆地レベルのサイズになったものをポリエと呼びます。

日本にはポリエにあたるサイズの盆地はないようです。

ちなみに,土壌の単元で勉強しますが,ポリエの内部にある土壌は間帯土壌のテラロッサと呼ばれます。

これは石灰岩が風化したもので,水はけがよく,オリーブなどの栽培に適しており,これから気候や農業の単元では頻出です。

少し心に留めておいてください。

最後に写真を一枚。

テレビか何かで見たことありますか?

中国 桂林(コイリン)のタワーカルスト

中国 桂林(コイリン)のタワーカルスト

 

中国の南部にある桂林(コイリン)という地域のタワーカルストと呼ばれる地形です。

この特徴的な景観から現在は世界自然遺産に指定されていることはもちろん,古くから中国では仙人が暮らす場所として言い伝えられてきました。

この地形もカルスト地形なわけですが,どうやって作られたか写真を見てわかりますか?

岩峰として残っている部分以外がすべて溶食で溶けたわけなので,昔の地面の高さは山々のてっぺんを繋いだラインにあったのです。

ほぼ岩峰の頂上が同じ高さでそろっていることがわかりますね。

この桂林(コイリン)は写真と地図上の地点の組み合わせという問題がよくセンター試験や模擬試験で出題されます。

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写真は一度見れば大丈夫だと思いますが,はい,そうですね。

地図帳で場所を確認よろしくです。

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中国の南に位置する香港や広州(コワンチョウ)から少し北西の内陸に入ったところです。

あと,どうでもいいことですが,日本にある中華料理屋さんはだいたい店名が揚子江(長江の下流の呼称)か桂林です笑

それぞれの地域の出身の中国人がお店を開いたのか,日本人に馴染みのある地名を店名にしたのかわかりませんが不思議ですね。

さて,きょうのポイントです。

  カルスト地形の語源はスロベニア

  ドリーネ→ウバーレ→ポリエの順に発達

  凹地の地図記号は矢印とゲジゲジ

  中国 桂林(コイリン)にあるタワーカルスト

次回はいよいよ地形の最後,日本の地形について学習します。

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