高校地理をわかりやすく,そして楽しく!

現役高校教師がどんな参考書よりもわかりやすく,センター試験で高得点を目標に,地理の授業を解説します。

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海流

   

さて,前回の授業では気候の3要素である風について学習しました。

今回は,気候区分やハイサーグラフの前に,海流についてさくっと確認します。

海流には暖流と寒流が存在します。

地図帳や資料集に赤い矢印と,青い矢印で海水の流れが描かれている地図が載っているはずです。

ただ,暖流と寒流は,降水のところでも触れましたが,定義はありません

何℃以上は暖流とか,何℃未満は寒流といった決まりはない,ということです。

周りの海水より暖かければ暖流,冷たければ寒流とされます。

また,世界中に山ほど海流があってどれを覚えればいいのか…と嫌になりますよね。

そこを厳選して,入試に頻出の海流のみ紹介するので確認してくださいね。

まず,出題度ダントツの第1位はペルー海流です。

寒流で南米の西側を南から赤道へ向かって流れています。

また詳しくは学習しますが,エルニーニョ現象や海岸砂漠といった用語と関わりが深いので,登場頻度が高くなっています。

第2位はベンゲラ海流

これも寒流でアフリカの西側を南から赤道に向けて流れています。

これもペルー海流と同様に海岸砂漠でよく出題されます。

正直,海流で何を覚えておけばいいの?と聞かれたら,ペルー海流のベンゲラ海流の2つです。

それ以外だと,北大西洋海流

これは中学校の地理でも学習しているので,もうある程度馴染みがあると思います。

加えて日本周辺の黒潮(日本海流)と親潮(千島海流)です。

これも中学校で勉強したはずです。

ちなみに寒流のほうがプランクトンなどを豊富に含んでいる場合が多く,親潮が運んでくるプランクトンによって魚がたくさん集まる好漁場となり,恵みの「親」となるから,古くから親潮と呼ばれています。

一方で黒潮は親潮に比べれば本当に海水が黒い(というか色が暗い)そうです。

これもプランクトンなどの不純物が少ないために,海水の透明度が高く,結果的に海の底の色が見えて海水が黒く見えるのです。

寒流でプランクトンが多いことを理解すれば,親潮と黒潮がどっちだったかわからなくならないと思います。

さて,もう1つだけ上げるとすれば寒流のカリフォルニア海流です。

これは北半球でアメリカの西側を北から南に向けて流れます。

chiriは実際にロサンゼルスを訪れたとき,サンタモニカビーチでカリフォルニア海流を触れたことがありますが,「んー,まぁ冷たいか」って感じでした笑

ロサンゼルスのサンタモニカビーチ

ロサンゼルスのサンタモニカビーチ

 

「これが寒流のカリフォルニア海流だ!」と思いながら海水を触るのでそう感じる部分も大きいかもしれませんが…笑

ただ,気候は温暖でポカポカした陽気のロサンゼルスに比べれば,確かに海水はやや冷たいかなぁという感じ。

 

さて,話を戻しましょう。

海流はそもそもなぜ流れるのでしょう?

要するに,海水はなぜ動くのか?

ということです。

これにはいくつか理由があるのですが,最も大きな理由は吹送流(すいそうりゅう:覚える必要はありません)と呼ばれ,地表を吹く風の流れの影響を受け,海流が発生するものです。

一番影響が大きいのは貿易風

北半球の北東貿易風と南半球の南東貿易風によって赤道付近の海水はほとんどが西へ向かって流れていますね。

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(赤道反流はこの2つの流れの発生に伴って生じる二次的な補流なので,気にしないでください。)

海流は「ここがスタート!」という地点があるわけでは当然ないのですが,この赤道付近で流れの大きなエネルギーを得ていることは間違いありません。

そうすると,世界中で複雑に流れている海流の模式図を以下のようにまとめることができます。

海流の原則的な流れ方

海流の原則的な流れ方

 

この大陸は仮想大陸です。

仮に2つの大陸とその間に大きな海があるとして考えてください。

実際には太平洋や大西洋,南半球だけのインド洋,と現実世界に置き換えられます。

赤道付近で海水は太陽エネルギーによって暖められるので暖流となります。

そして南北貿易風によって西側へ向かって流れ,いつかは大陸にぶつかります。

そうすると暖流は自動的に高緯度側へと流れていきます。

するとすると高緯度側は北極や南極に近いわけで太陽エネルギーも届きにくく,気温も低いので,暖流は少しずつ冷まされ,寒流となっていきます。

寒流となった海流は今度は東向きに流れ始め,いつかはまた大陸にぶつかり,低緯度地方へと流れてきます。

こうして北半球では右回り(時計回り),南半球では(反時計回り)に原則的に海流が流れるのです。

そのため,さきほど触れたペルー海流やベンゲラ海流は図でいえば,Aの部分にあたり,日本海流(黒潮)はBの部分にあたり,カリフォルニア海流はCの部分にあたるわけです。

 

もちろん,この大きな流れ以外にも,海岸線の形などによって異なる流れの海流が生まれることはあるので,あくまで原則としてとらえてください。

ただ,このモデル図の流れを理解しておくと,センター試験や模擬試験で十分に海流の問題は対応できます。

一度理解してしまえば簡単ですね。

 

また,入試には関係ないですが,この海流は地球全体の熱循環の役割を果たしています。

つまり,暖かい海水を寒い高緯度地方へ,冷たい海水を暖かい低緯度地方へ送っているわけで,地球全体の気温を平準化しているわけです。

これは実は大気大循環図で見た恒常風も同じ働きをしています。

風と海水の地球的な移動によって今の私たちの生活は成り立っているわけですね。

もし恒常風と海流が存在しなかったら赤道地域はもっと暑いし,高緯度地域はもっと寒くなっているってことです。

やはり,地球が自転していることってすごいことですね。

 

さて,海流はこれだけです。

ポイントをまとめましょう。

海流…暖流と寒流は周りと比べて暖かいか冷たいか

北半球では右回り,南半球では左回り

→覚えるべきはペルー海流,ベンゲラ海流,北大西洋海流,日本海流(黒潮),千島海流(親潮),カリフォルニア海流

さて,次回はいよいよケッペンの気候区分に入りましょう。

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