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ハイサーグラフの読図方法

      2020/04/16

さて,前回はケッペンの気候区分-雨温図の判別方法-について学習しました。

今回はハイサーグラフの読図方法について学習します。

前回から重ねて強調しておきますが,毎年の生徒たちが気候区分について「うーん,複雑でいやだなぁ」と思っているところに地理嫌いを生み出すトドメを刺すのがココです笑

ただし,このサイトを見てくれているみなさんであれば,ハイサーグラフの読図はグラフの見かけこそ違いがありますが,判別方法は基本的に雨温図と同じだとすぐにわかってもらえるはずです。

ちなみにハイサーグラフとはこんなやつです。

秋田市のハイサーグラフ

秋田市のハイサーグラフ

 

雨温図は縦軸に気温と降水量,横軸に月が示されていたのに対し,ハイサーグラフは縦軸が気温横軸が降水量となっていて,1つ1つの点が月を表します。

ハイサーとは英語でhytherと綴り,ギリシャ語の接頭語の「水」を意味する「hy-」(「ハイドロ」とかの)と,「熱」を意味する「ther-」(「サーモ」とかの)をくっつけたものだそうです。

ちなみにサーモといえば,薄くて暖かいこの手袋をchiriは長年,愛用してます。
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さて,では熱帯から順番にハイサーグラフとその判別方法を確認していきましょう。ちなみに今から紹介する都市のグラフは前回のケッペンの気候区分-雨温図の判別方法-でも紹介した都市とすべて同じ都市のハイサーグラフを掲載しています。ぜひ同じ都市の雨温図とも見比べながら,理解を深めてください。

ではまずシンガポール。

ハイサーグラフはこれです。

正直言って,ぐちゃぐちゃしてて見にくいですね。

シンガポールのハイサーグラフ

シンガポールのハイサーグラフ

 

これを判別するのは,先ほども述べたように,基本的には雨温図の場合と同様です。

まず初めに,-3℃と18℃に線を引きます

そして最寒月を見るわけですが,明らかに18℃を上回っているので,下の図では-3℃には線を引いていません。

よって気候記号の1文字目(大文字)はA(熱帯)と決まります。

次に気候記号の2文字目を決める必要がありますが,ハイサーグラフで雨季と乾季の見極めは,縦軸とグラフとの間に隙間があるかどうか,です。

下の図を見てください。

シンガポールのハイサーグラフ 判別方法

シンガポールのハイサーグラフ 判別方法

 

1番雨が少ないのは2月ですが,2月と縦軸との間にだいぶ隙間が空いています。

この「隙間」=1年間で最も雨が少ない月でもまあまあ降っている,ことを意味します。

よってシンガポールは乾季なし=f(年中湿潤)となり,気候記号はAfとなるので,熱帯雨林気候と判別できるのです。

 

では次に乾季がある熱帯のグラフを見てみましょう。

インドのカルカッタです。

カルカッタのハイサーグラフ

カルカッタのハイサーグラフ

 

さて,同じ要領で判別してみましょう。

18℃に線を引き,最寒月が1月ですが,約20℃で18℃以上なので気候記号の1文字目はAで決定。

2文字目は2月が縦軸に限りなく近づいているので乾季あり,です。

乾季が2月で冬なので,wとなり,Aw(サバナ気候)と決まります。

カルカッタのハイサーグラフ 判別方法

カルカッタのハイサーグラフ 判別方法

 

どうですか?

仕組みがわかれば,簡単なはず。

 

ではどんどん行きましょう。

次は温帯です。

中国のチョンツーです。

チョンツーのハイサーグラフ

チョンツーのハイサーグラフ

 

-3℃と18℃に線を引き,2本の線の間に最寒月があるからC(温帯)です。

1月の点が縦軸に近づいているので冬に乾季でwとなり,Cw(温暖冬季少雨気候)です。

チョンツーのハイサーグラフ 判別方法

チョンツーのハイサーグラフ 判別方法

 

次はローマ。

ローマのハイサーグラフ

ローマのハイサーグラフ

 

同じく-3℃と18℃に線を引き,2本の線の間に最寒月があるからC(温帯)です。

乾季があるのは7月なので,sとなり,Cs(地中海性気候)で決定です。

ローマのハイサーグラフ 判別方法

ローマのハイサーグラフ 判別方法

 

次は日本の秋田市。

グラフは1番最初に示しましたがもう一度載せておきます。

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秋田市のハイサーグラフ

秋田市のハイサーグラフ

 

ただ黙々と-3℃と18℃に線を引き,2本の線の間に最寒月があるからC(温帯)です。

次に縦軸とグラフの間に隙間があるので,乾季なし=fです。

雨温図でも確認したように,Cfと2文字揃った場合,3文字目まで決定する必要があるため,22℃に線を引きます。

最暖月を確認し,8月が約25℃で22℃以上なので3文字目はaとなり,Cfa(温暖湿潤気候)と決まります。

秋田市のハイサーグラフ 判別方法

秋田市のハイサーグラフ 判別方法

 

同じく3文字目まで判別する必要がある都市を見ておきましょう。

イギリスのロンドンです。

ロンドンのハイサーグラフ

ロンドンのハイサーグラフ

 

もう言わなくても良いと思いますが,2本の線を引き,縦軸とグラフの間に隙間があるので乾季なし=fです。

Cfと来たので22℃に線を引き,最暖月は7月で約19℃のため,22℃未満なのでbとなり,Cfb(西岸海洋性気候)が決定します。

ロンドンのハイサーグラフ 判別方法

ロンドンのハイサーグラフ 判別方法

 

次は亜寒帯(D)気候を確認しましょう。

まずシカゴ。

シカゴのハイサーグラフ

シカゴのハイサーグラフ

 

2本の線を引いてもいいですが,-3℃を引いてみて,最寒月が下回っているのが分かれば,18℃の線を引く必要はないですね。

1文字目がDと決まり,2文字目は縦軸との間に隙間があるのでfDf(亜寒帯湿潤気候)決定です。

シカゴのハイサーグラフ 判別方法

シカゴのハイサーグラフ 判別方法


はい,次,ハルビン。

ハルビンのハイサーグラフ

ハルビンのハイサーグラフ

 

もうわかりますね。

最寒月が-3℃以下でD,1月が乾季なのでwとなり,Dw(亜寒帯冬季少雨気候)です。

ハルビンのハイサーグラフ 判別方法

ハルビンのハイサーグラフ 判別方法

 

さて,A(熱帯),C(温帯),D(亜寒帯)が終わりました。

次にB(乾燥帯)を見ておきましょう。

ダカールのハイサーグラフ

ダカールのハイサーグラフ

 

グラフの形から瞬時にAw?と思い浮かんできたら大したものですが,多くの点が縦軸に寄っていて,年間の降水量がかなり少ないことに気付けるようになっていきましょう。

B気候と判断する主な目安は年間の降水量が500mm未満です。

ダカールのハイサーグラフ

ダカールのハイサーグラフ

 

雨温図のBS気候でも同様の説明をしたように,ダカールは年間の降水量が500mmに満たないことがざっくりとでも計算できるので,BS(ステップ気候)と判別します。

みんなはダカール・ラリーのほうが聞いたことあるよね。

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砂漠の真ん中をごつい車が走っているイメージがあるはずです。

さて,次はカイロです。

カイロのハイサーグラフ

カイロのハイサーグラフ

 

まあ,見た瞬間,なんじゃこりゃ!って思えるよね。

カイロのハイサーグラフ 判別方法

カイロのハイサーグラフ 判別方法

 

となります。

以前も述べたように,BSとBWの厳密な判定ができる必要はこれまでのセンター試験ではないので,あまり気にしなくても大丈夫です。

 

最後に寒帯を見ておきましょう。

バローです。

バローのハイサーグラフ

バローのハイサーグラフ

 

これも雨温図で学習したように冬の寒さではなく,夏の気温の低さに着目するんでしたね。

最暖月の7月が0℃以上10℃未満のため,ET(ツンドラ気候)と判別します。

バローのハイサーグラフ 判別方法

バローのハイサーグラフ 判別方法

 

EF(氷雪気候)のハイサーグラフはchiri自身も見たことがないので,割愛します。

 

さて,ハイサーグラフもそんなに難しくないことがわかってもらえましたか?

ポイントは雨温図と同じように

-3℃と18℃に線を引いてA,C,Dを判別する。

乾季の有無は縦軸とグラフとの隙間の有無で判別する。

です。

全国で地理嫌いが多く生まれてしまう,この雨温図とハイサーグラフの鬼門をぜひしっかりとクリアして,その先にある地理の面白さを楽しんでください。

さて,次は少し気候区分判別の復習と雨季と乾季が生まれるメカニズムを学習します。

 

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