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砂浜海岸

   

前回の授業では河岸段丘・洪積台地について学習しました。

今回は砂浜海岸についてです。

砂浜海岸という地形の分類はあまり馴染みがないかもしれませんが,その具体例はよく知っている地名・地域が多いと思います。

例えば天橋立,江の島,函館などなど…

どこも有名な観光地などになっているところが多いです。

それでは具体的に見ていきましょう。

 

次の図を見てください。

砂浜海岸の地形

砂浜海岸の地形

 

砂浜海岸は砂の運搬・堆積によって海岸に作られる地形の総称で,出来上がった地形の種類によって名前が付けられ分類されています。

また,これらの砂浜海岸にみられるそれぞれの特徴的な地形を形作るのは,沿岸流とよばれる,海岸付近の海水の流れです。

私たちはどうしても,海水浴ができる砂浜の海岸くらいしか,海と陸との境目を想像しにくいですが,絶えず波が打ち寄せるだけでなく,それぞれの海岸線では一定方向に水の流れが存在するのです。

 

では具体的な地形についてみていきましょう。

まず砂州(さす)。

みなさん,「(す)」という漢字の意味は知っていますか?

あまり考えたこともないかもしれませんが,それでは「州」という字が使われている熟語にはどんなものがありますか?

そうです,「三角州」とか「中州」。

中州というのは川の中に石や砂がたまって陸地になっているものですよね。

これらで使われている「州」というのはすべて同じ意味です。

もうわかりましたか?

  州とは川・湖・海などの底に土砂がたまって高くなり,水面上に現れたもの

という意味です。

 

納得できましたね?

三角州も河川によって上流から運ばれてきた土砂が河口にたまって陸の部分が増えてできる地形でした。

よくよく漢字を見ると,「州」という漢字字体,「川」の中に砂がたまって中州ができている様子を視覚的に表しているようにも見えますね。

象形文字である漢字って面白い。

 

さて,砂州の話に戻ります。

ということで,砂州とは沿岸流によって運ばれた土砂が堆積し,州となって他の陸地とほぼくっついた部分のことを言います。

具体例は最初にも触れた,日本三景の一つとしても有名な京都府にある天橋立や,鳥取県の弓ヶ浜などです。

さぁ,地図帳を開いて,場所を確認するんですよ。

明日やろうは………でしたね。

 

また,砂州によって海と隔てられた湖の部分を潟湖(せきこ),英語ではラグーンと呼びます。

北海道のサロマ湖,静岡県の浜名湖,鳥取県の中海,秋田県の八郎潟(埋め立てられる前)などが有名です。

さぁ,地図帳を開いて,場所を確認です。

 

次は砂嘴(さし)。

「嘴」この漢字を訓読みできますか?

わかったら相当賢いですが,答えは「くちばし」です。

鳥のくちばしのように,州が湾内に向かって曲がっているのがわかるはずです。

北海道の野付崎がもっとも有名で,静岡県にある三保松原もきれいな砂嘴の形が地図帳でも読み取れます。

はい,地図帳で確認ですね。

 

最後に陸繋島トンボロ(陸繋砂州)

これはもともと沖合にあった島が砂州で結ばれ,陸地化すると,つながれた島のことを陸繋島,砂州でつながった陸地部分を陸繋砂州,あるいはトンボロと呼びます。

具体例は夜景で有名な北海道の函館,なまはげがいる秋田県の男鹿半島,お天気カメラで有名な神奈川県の江の島,和歌山県の最南端に位置する潮岬,金印が出土したことで日本史でも有名な福岡県の志賀島など,全国的にも有名な場所が盛りだくさんです。

海外でいえば,フランスにあるモン・サン=ミッシェルも陸繋島の例です。

 

さて,chiriが実際に訪れて撮影した福岡県志賀島の写真を見てみましょう。

志賀島へ向かうトンボロ上から撮影

志賀島へ向かうトンボロ上から撮影

 

これは福岡市側から志賀島を向かって撮影した写真。

見てわかるように,現在は砂でできたトンボロの上に舗装された道路が通っています。

志賀島側から見たトンボロの様子

志賀島側から見たトンボロの様子

 

こんどは志賀島側から福岡市側を向かって撮影した写真。

砂でできたトンボロが伸びている様子がきれいに見えますね。

金印の説明がされている看板

金印の説明がされている看板

これはおまけです。

志賀島の中には金印公園なるものが存在し(規模や設備はショボいのですが…),一応,「漢委奴国王」の金印について紹介してある看板も設置されています。

 

さて,最後に質問です。

これらの砂浜海岸が形成されるために必要不可欠な地形が1つあります。

それは何でしょう?

 

ヒントは最初に示した砂浜海岸のモデル図の外側に必ず存在すべきもの,です。

そう,答えは「河川」。

沿岸流によって運ばれる土砂を河川の上流から侵食・運搬してくる存在だから。

州に砂がたまるためには,河川によって新しい土砂が常に供給される必要があるためです。

 

ちなみに,モデル図中には「海食崖」という言葉も登場していますね。

海食崖とは文字通り,海岸沿いの地形が海の波によって侵食され,いわゆる断崖絶壁のようになっている部分のことです。

もっとわかりやすく言えば,火曜サスペンス劇場で最後に船越英一郎が犯人を追い詰めて自殺しようとするところを説得して逮捕するところ,的な断崖絶壁です。

大切なのは,船越英一郎を紹介したかったわけではなくて,海食崖で削られた岩石や砂は河川から運ばれてきた土砂と同様に州を形成するための土砂供給源となるということです。

まっ,海食崖=みなさんが一番一般的に思っている「崖(がけ)」で間違いありません。

今後学習する海岸段丘などの地形でも登場する言葉ですので,覚えておいてください。

 

ということで,今日のまとめです。

  砂嘴…くちばしのような砂州

  砂州…砂嘴が伸びて,他の陸地とつながったもの

  潟湖(ラグーン)…砂州によって海と隔てられた湖

  陸繋島とトンボロ…陸繋砂州が沖合の島とつながったもの

  砂浜海岸の各地形は具体例が有名。⇒必ず地図帳で確認しておく!

 

次の授業では,離水海岸(海岸段丘・海岸平野)と沈水海岸(リアス海岸,フィヨルド,エスチュアリー)について学習します。

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